ベルファイア

大喜利とか人とのご飯とかの予定でスケジュールを埋め尽くしてしまいたいのだが、生憎そういう訳にもいかず、法事に参席することになった。祖母の三回忌だ。数ヶ月前珍しく父親から電話がありその日は大きなイベントはいるなよ〜〜〜と念じていたのだが未来杯という関西最大級に大きなイベントが入ってしまった。ファッキンシット。未来杯出たかったよ。

スカートだけメルカリで1,100円で購入してこれでいけるだろと思ってたら鞄が無かった。イオンに行きスカートの3倍の値段するちゃちな鞄を買った。詰めが甘い。

だが案の定母には「どうせこいつ必要な物全部は揃えてへんやろ」と思われていたらしく確認の電話が入った。電話をしながらしたり顔。

 

朝からフライパンいっぱいいっぱいのホットケーキを3/4とサラダとスクランブルエッグと愚痴を食わされ腹がいっぱいになる。わたしがいつでもどこでも最高のポテンシャルだと思わないで欲しい、そりゃあこの前ちょっと熱出たのにポンガラカレーのスリランカプレート完食したけどさ。

苦しい姉を尻目に弟(1浪1留)は寝ていた。寝ていたから“尻目”という表現は適当でないかもしれないが。明日テストだから此奴は留守番らしい。散らかった部屋に柄物の布団を敷いて身を捻るように寝る様を見て「要介護3」と言ったら母から鼻息一つだけもらった。そんなことするなら無視して欲しい。

 

まだ近所のスーパーが開いてない時間だったのでコンビニで親戚一同に飲ます飲み物を買う。こういう役割をうちの家ばかり請け負っているので母は毎回ぼやいている。クソでかいクーラーボックスにはビール、ノンアルコールビール、お茶、コーヒー(実家で淹れたもの)、小さい子供用にジュース。花でも見るのか?

 

式が始まる20分前、親戚が集まって従兄弟の子供がはしゃいでいた。父が穏やかに微笑みながら相手をしているのを見て「子供は好きだという感情はあるのだな」と驚いた。何もかもだいたいわたしと同じだと思っていたので意外だった。だから少年野球チームのコーチとか60越えてもやっているのだろう。他の叔父さんに比べて圧倒的に黒い手が子供を撫でた。子供の1人が走り回って転んで顔を打って母親(わたしからすると、従兄弟のお姉ちゃん)に抱きついて泣いているところにうちの母が横腹を突いたりしていて本当そういうところあるよなと腹が立った。

こういう時最大の話し相手が弟なので、つまらないなあと思ってたら遅れて着いた別の従兄弟のお兄ちゃんがめちゃくちゃ普通に話せるようになっていたのでめちゃくちゃコミュニケーションを取った。以前親戚のお兄ちゃんが久々に見たら気持ち悪くなってしまっていたとツイッターで嘆いた記憶があるが、やっぱり社会人になると違うなと感心させられる。ここまで書いておいて何だが、“お兄ちゃん”という呼称を普段使う機会がないので中々新鮮でいいな。

 

式は坊さんが冒頭から鈴(りん)を落として大きな音を鳴らす以外は滞りなく進んだ。水曜日のダウンタウンハリウッドザコシショウが読経しているのを思い出してずっと半笑いだった。わたしが死んだら是非ザコシに経を上げてもらいたい。

葬儀の時の弁当って何であんなに盛りだくさんなんだろう。大変美味だったのだが、このわたしが残してしまった。ホットケーキめ。親戚一同に飲み物を配膳するのに駆り出された。会社かと思った。葬儀屋が「こちらでもコーヒーをご用意しているのですが……」と申し訳なさそうに聞いてきた。何か悪いことしてる気持ちになる。

 

粗方片付けをして解散。母が余った飲み物を小さい子供がいる従兄弟のお姉ちゃんに素早く配っていた。年季。叔母さんが母に「こんなに飲み物持ってきてもらってごめんなさいね」と言うのに気丈に対応していたが、飲み物の種類を指定してきたのは叔母さんだというのも知ってるし、身体的悪口を交えた愚痴を今朝耳に入れたばかりだったのでその光景を見てまた半笑いになった。子供とは結局一切絡まなかった。

 

帰宅。14時頃だったと記憶しているが、弟はまだ要介護3の状態だったので速やかに暴力を振るった。暴力の後にケーキとお小遣いを貰った。甘美なるお昼過ぎ。しかも19時まで寝た。良い子に振る舞えましたということで。