ダブルフォーカス

「なーんか顔がざらざらするな、ちょうどおメンス前やし荒れたんかな」と風呂上がりに顔を触ったのが昨日の朝。寒いとことあったかいとこを往復するとたちどころに冷えのぼせが起こるので、少々顔の熱いのは気にならなかった。

夜、顔が赤いことに気づく。赤いのは排水口とトイレ掃除に精を出していたからだろう、とは思ったのだが何やらまだらに赤い。色がアシンメトリーである。大抵紅潮というのは、右の頬が染まれば左の頬も染まるであろうものだが、右と左で3:7くらい違う。いつから地図めいてしまったのか。パックをして化粧をして外食に。

 

翌日顔がえらいこと腫れてしまった。本来通わない血液がかなり顔で渋滞しているのが鏡を見ずとも分かるほど。鏡を見ると見た目+10kgくらいになっていて笑った。しかしアレルギーの類が肌に出たことが無ければ心当たりも皆無なので鏡の中の赤ら顔のクソデブは存外悲しい笑みを浮かべていた。

4年前に背中のイボが破裂した案件でかかった大きめの皮膚科へ急ぐ。ほぼ開店ダッシュだったが、待合室は乳飲み子の阿鼻叫喚が複数響き渡る大惨事であった。他所の赤ん坊の泣き声を聞いて別の男児が「こうくん泣いちゃうの?」と母に尋ね、母が「泣かないで」と頼み込んでいておかしかった。黒マスクで伏し目で読むmeets。こういう時でもランチを何にするかは頭をフル回転させる。

 

「なーんかかぶれたような感じやね」とは医者の言葉。こっちは不安でたまらないってのになにわのお医者さんときたら大体死ぬほど気さくで力が抜ける。それは安心なのか脱力なのかわからないが。眠くなる薬は困るかどうか聞かれて、困ると答えたら朝は弱めの、夜は眠くなる飲み薬を処方された。あと1日3回の塗り薬も。塗り薬を処方されるのは膣カンジタ以来で久しい。3種類も処方されたのに膣カンジタの時のそれよりかなり安かった。ジェネリックと言って良かったなあ。

 

マクドナルドで明記するほどでもない朝飯を喰らい、先ほどの薬を飲んで塗って、色々悩んで電車に乗った。庄内へ。阪急は乗り慣れていないのでと言うと言い訳がましいのだが、違う電車に乗ってしまい蛍池まで行って気づいた。

シドミドでポークのスープカレーを食した。スープカレーでも何でもそうなのだが、ご飯とカレーが別盛りになっているカレーは途端に時間がかかってしまう。ほぼ情報を仕入れずに行ったのでキーマカレーという選択肢に大分苦しめられた。次はお前の番だよ。スープカレー美味しかった、アイスチャイも無論。

庄内駅前は万国旗が道にかけられてて景気が良かった。リサイクルショップで無意味に指輪を見たり。

 

溜まってる洗濯物をかたしたりしたら、母と弟が迎えに来た。銭湯に行く約束をしていたが、顔を見て一瞬で心配された。「顔ぱんぱんやんけ、あんま変わらんけどな!」くらいの毒は吐かれるかと思ったが予想はハズレ。タオルを忘れたことに湯船で気づく。

ご飯もそこで食べた。ランドセルの話になり、わたしが小3のとき買い直してもらったランドセルがフリマで2000円だったと聞いて爆笑してしまった。弟のランドセル(祖母が入学前に買った)が2万くらいと聞いて更に大きな声で笑った。笑わないといけない。

銭湯を後にして好きな喫茶店に誘導したら「値段だけの美味しさのケーキやったわ」と吐かれ、黙って欲しかった。