阿鼻地獄の果てまでロックオン

午前2時。オールザッツの真っ最中に起床し、必要最低限の明かりだけを頼りに42℃のシャワーを浴びる。シャワーの湯を顔に当てると乾燥の原因となる、最近はその知見のことを考えながら顔に42℃を当てている。少し目が冴える。

ヒートテックの比較級に腕を通しありあわせの動きやすい服に4足600円の靴下、ブルーライトを防ぎすぎて色が褪せてしまった眼鏡、マスク、黒の防水モッズコート、天満で叩き売りされていたリュックサック。マンションのエントランスには姿見があり、毎朝嫌でもその不審な輩を横目で見ることになる。今日もイカしたパーマ。乾かし方が甘いから毛先は遊び呆けている。いまから働くというのに。

 

前日にアリナミンナイトリカバー、通勤しながらモンスターアブソリュートゼロ、この後訪れる事態に備えて強強打破。カタカナと漢字の合法栄養剤よ、仮初でも良いから眠気を断ち切ってくれ。こんなことを願ってはいるがカフェインに強すぎてこの類がプラセボでしかないことも知っている。叶わぬと知ってかける呪いの何と虚しいことか。

 

活気ある声に耳を塞ぎ、けたたましい光を見下ろして通い慣れた勤務場所へ足取り重く向かう。イヤフォンによる耳への愛撫は暫し中断。近頃は『あめふり婦人』をよく嗜む。そうして事務所に着いたなら元気よく朝のご挨拶。梨の礫。荒々しくブラインドを開けたりコピー機の給紙したりなどあとは雑雑雑務の繰り返しを13時間。今年一年お疲れっしたということで仕事納めと相成った。途中でキメた強うんたらは全然効かず怠さだけが残った。何故かささみをもらって退勤、駐輪場に行くと愛車が寝転んでいたのは風のせいだと思いたい。