今では言葉も覚えたし

やよい軒にて、ニラ豚炒め定食を嬉々として食べ進めるも、辛味を大量に余してしまい、辛味のこと好きなはずなのにどうしてかな、と煩っている。

2ヶ月ぶりの更新に相応しいあまりにもどうでもいい煩悶から始まるブログ、誰かが思い出したように読んでくれるくらいが丁度良い。こちらも思い出したように書いてるし。

 

実に様々なことがあり、説教臭いことを呟いてしまい自戒の念に苛まれていると大切なことを忘れそうになる。日々が充実していると言えばそれまでだが。しかしこんな物申し異端おばさんにも欠かさず便りをくれる有難い友人がいる。

名をふじいよしみと云う。

わたしが永久保存と名乗る前、劇場通いお笑いファンだった頃からの友人である。個展を年に1回から2回ペースで開き、その度にお知らせのハガキを送ってくれる。“しろいるか作家“を名乗るファンシーな女の子である。

 

いつも三ノ宮で個展を開いてくれるので、毎年その日はひとり旅のつもりで昼くらいからちいとばかし粧し込んで神戸線に乗る。綺麗な格好をしていると褒めてもらえるのだ。そういう褒めはいくつになっても絶対にもらいたい。今年は少し雨だったのでそこだけがネックだったが。

 

三ノ宮に着くまでに狂ったように食べログの保存リストを見る。外食王はせっかくの神戸チャンスを不意にしたくない。色々悩んでいると、前回三ノ宮を訪れた時に食べられなかったカレーのことを思い出した。ラジクマリという、カフェとカレーの店へ。以前は売り切れという憂き目に遭ったので、祈りながら心なしか早足で店の看板を探す。スカートの裾を食い意地で濡らした。こういう時に前を歩いてる人がその店入って行ったりしてたらものすごく焦る。

今回は祈りの甲斐あってかありつけることができた。嬉しくってバターチキンカレーも付けちゃったりしてさ。チャイも飲んでさ。でもテリーヌを我慢する理性があった。

良かったら行ってみてください。

ラジクマリ
兵庫県神戸市中央区下山手通2-5-6 中央ビル 2F
https://tabelog.com/hyogo/A2801/A280101/28062715/

 

行きたい店が他に軽く十はあったのだが、厳正なる思考の結果アリアンスグラフィックに赴いた。ここもまたカフェでもありごはんを食べることが出来る洒落た店なのである。何よりその雰囲気のある店構えが堪らない。思いの外お客さんが来ていなかった、アイスコーヒーとガトーショコラを食べた。フレッシュとシロップをせっかく出してもらったにも拘らず、コーヒーが美味しくてブラックで飲み干してしまった。勿体無い。フレッシュとシロップが鉄のちっちゃい容器に入ってるの好き。「フランス人に教えてもらったカレー」が気になるのでまた行きたいな。

アリアンス グラフィック
078-333-0910
兵庫県神戸市中央区海岸通3-1-5 海岸ビルヂング 1F
https://tabelog.com/hyogo/A2801/A280102/28000319/

 

完全に自分本位で徘徊しているうちに(商店街にグレープフルーツムーン2つあるの何?罠?)やや陽が傾いていることに気づき、慌ててトアロードの方に戻る。周辺で何か気の利いたものを探す、4月の頭に誕生日を迎えた彼女の為に。トアロード辺りは服飾や飲食の個人店が多くて本当にワクワクする。花と鳥のブローチと鮮やかな靴下を二つずつ買った。重い。気持ちが。本当は髪飾りにしようと思ったが、無沙汰のあまりどんな髪型だったかもわからなかったので。

 

行き慣れたアトリエに着くと「おっ!お疲れ!」と声を掛けられた。あまりに時間の経過を感じさせないその声は、久闊を叙すことに意気込んだ心を一瞬でふわりと軽くしてしまう。ふじいよしみという女は。ショートカットの髪を見て、自分の選択に安堵した。アトリエの壁には今までの個展の絵葉書がぐるりと貼られていて、それを全て知っていることが嬉しく思えた。ポストカードやアクリルキーホルダーなど、様々な形となったしろいるかに囲まれてニコニコと笑う作者は10年間ずっと変わらない。プレゼントを渡すと大きな声で喜んでくれた。「ちょうど靴下欲しかってん!エスパー!?」と喜んでくれた。そういうことにしておいた。

いつも芳名帳には沢山の名前やメッセージが書いてあって、そこにはわたしも知っているがめちゃくちゃ連絡をしていないためほぼ縁が切れてしまった人も沢山いて、こうやってきちんと切れずに繋げているのが本当にすごくて、でも自分には出来なくて、それらをうまく言語化出来ないので、「すごいねえ」とだけ言ってわたしもそこに名を連ねた。10回も書いてるのにいつも喜んでくれるんだから、そりゃ嬉しくて書いちゃうよなあ。

 

Twitterでは繋がってるのでわたしの活動を知ってくれていて、今度大喜る人たちに出ることを自慢するとすぐに配信を買ってくれた。現地で観れないことを悔しがってくれた。「飛び出せっ!安藤!」という名前をいたく気に入ったようだった。でかいしろいるかの張子を2人で抱えて記念写真を撮る。ぬいぐるみを作りたいらしい。作ってほしい。

しろいるかについて今回同人誌を出したの!と息巻いて見せてくれたので試し読みしたらこれが本当にすさまじいまでの知識量で、しかも挿絵も可愛くて読みやすく、その場で買った。好きという気持ちは強い。

 

帰りはすっかり雨も止んでるじゃないの!と意気揚々と神戸駅に向かい、行きたい店に行ったら売り切れ閉店していた。これはInstagramを知っていながらストーリーを見なかったこちらが悪い。それで心が折れて帰路につき、これを最寄りのやよい軒で書いているところ。まだ辛味残ってる。